10月28日生まれの天才
Driesch1
ハンス・ドリーシュ
Hans Adolf Eduard Driesch
 (1867-1941)
 生物学者、哲学者。ドイツのバート・クロイツナハ生まれ。卵から誕生または孵化までの状況を調べる「発生学」の功績で知られます。
 ウニの卵の細胞がふたつに分裂した時、片方の細胞を取り除いても残った細胞が更に分裂を続けて一匹の幼生として生まれることを発見、これにより生物は一部分が失ったとしても生物自体が正常なものになるよう調整する機能があるのではないかと考えました。また、生物のクローンを作成する「クローニング」を初めておこなった人物としても知られます。
 このウニの実験からドリーシュは生物の成長には「エンテレヒー」と呼ばれる超自然的な力が働いているとする「新生気論」を提唱し、生物学から哲学へと専門分野を変えたようですが、生物学の本流は精神や霊魂といった概念を用いずに因果関係のみで考える「機械論」であったため、「新生気論」は一部科学者から徹底的に批判され、現在では否定されている考え方となっています。

参考文献
 「はじめて学ぶ科学史」共立出版、2014年
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5
 https://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Driesch
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%B0%97%E8%AB%96
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0