2018年12月11日の「THE W 2018」を拝見しましたので、感想を書いて参ります。感想は出演順に、敬称略で書いて参ります。
まずは1回戦の8組まで参ります。
ゆりやんレトリィバァ(吉本興業)
ピンのコント。ミヤネ屋の宮根誠司さんとしていつものようにミヤネ屋を切り盛りしていくも、妙なやりとりがちょこちょこ現れるというネタでした。
宮根さんの物真似と現場で起きている妙なことを笑って貰う意図があったと思うのですが、物真似に関しては自己紹介をしないと誰を真似ているのか分からないレベルで、かと言ってそのクオリティの低さを笑って貰う風でもない。起きてる出来事も些細なこと過ぎて下手すると見逃すレベルなものが多く、小道具もそれだけに頼るのはきつかったと思われます。構成も同じ形のものを並列において少々変化を付ける程度でして、特に目新しさも見当たらないようでした。
あぁ〜しらき(グレープカンパニー)
ピンのコント。リズムや音楽に乗りつつ、「上げる」「下げる」の言葉を受けてサンバイザーを上げ下げするという、いわゆる旗揚げゲームのようなものをクリアしていくネタでした。
現実にあるものを参考に新しいゲームを構築したところは全く問題がございませんが、本当に「上げる」「下げる」に終始してしまった印象はあります。有名な歌を挿入して変化を詰めるも、そこでも「上げる」「下げる」の言葉をそのままルールに組み込む程度で終わってしまいまして、短い持ち時間でももっといろいろ発展のさせようがあるんじゃなかろうか、という地点で終わってしまったような印象はあります。レベルが上がっていきなり意地悪なルールが追加されたりとか、ゲームのルール自体を取っ払ってしまうとか、その程度やるだけでだいぶ出来が違ってくると思われます。
吉住(プロダクション人力舎)
ピンのコント。与党議員と野党議員が恋愛関係になっておりまして、与野党の壁が原因で痴話げんかに陥るというネタでした。
普通の痴話げんかに国会議員というテーマをひとつ混ぜてくるのは目新しい組み合わせだったと思います。ただ、その織り交ぜてくる国会議員ネタがベタなあるある範囲内でありまして、組み合わせの妙の深みが出てくる前に終わってしまった印象は拭えないのではないでしょうか。痴話げんかのほうも普通の痴話げんかで終わっていまして、話が特別発展することもなかったのが惜しいと言えば惜しいところです。
ニッチェ(マセキ芸能社)
エステに行くもそこのスタッフがとにかく「分かります分かります」と安易に同意してまともな会話が成り立たないというネタでした。
特徴的な外見の人が目立つワードを多用して話を進め、後半で場面に変化が起きて終わるという、普通のコントを普通にやってのけたという印象です。「分かります」が後半で「分かりません」になる、という点が肝だと思いますが、使い方がそのまま過ぎて笑いに繋がりにくくなっているように思います。
根菜キャバレー(サンミュージックプロダクション)
ピン芸人のKittanさんと「ぴーかぶー」「ヒルトヨル」で活動してきた天野舞さんのコンビ。フリーの時期もある天野さんの事務所が現段階では不明ですが、Kittanさんと同じサンミュージックに仮定しました。
漫才。明るい子が大きな言動でギャグをしたりツッコミをしたりするのに対して暗い子が適当に処理したりするというネタでした。
暗い子のほうがまだキャラクターや役割が固まり切っていないようで、暗い子ならではの何かが特に出ていなかったのが気になりました。あとは、陰と陽のコントラストを見せるのはいいのですが、もう少しふたりの言動が噛み合わせる必要はあるかなと思いました。
合わせみそ(プロダクション人力舎)
「ブラットピーク」の河田祥子さんと「おとびばなし」の吉田治加さんの即席コンビ。
漫才。やりたいことと称してイケメンにあらぬことをしようと妄想するボケをツッコミが必死で思いとどまらせるネタでした。
省略できる説明的な台詞があちらこちらに見られたのが特に気になりました。あとは、謎かけの間にツッコミを入れたのが悪目立ちしてしまった印象がございます。ただ、ボケのキャラクターやツッコミの言葉遣いはある程度機能しておりまして、どちらも漫才が主戦場である分だけ同じコンビ歴の対戦相手よりも一枚上回った感はございます。
横澤夏子(吉本興業)
ピンのコント。息子の運動会を見に来たお母さんとして、運動会で起こり得そうなことをコミカルに演じていくネタでした。
いわゆる「あるあるネタ」を繋げて行ってひとつの話にしていく得意の形式でした。その手の「あるある」をやらせたら相当なレベルであることは間違いないでしょう。ただ、この場で重要なのはガッツリと笑いを取っていくことでして、「あるある」の数珠繋ぎに徹しているとそこのところがどうしてもおろそかになる危険が付きまとうと考えられます。似たような場面やセリフが再び出てくる時は省略するなど、見る側にストレスを感じさせない配慮は随所に見られますけれども、笑いに至っているかと言えば不十分なところが見られるかと存じます。ネタが全体的に明るくて普遍性もあり、見る人を選ばないという点は強いと思います。
紺野ぶるま(松竹芸能)
ピンのコント。役者となって地元に凱旋したかと思えば、勘違いして上京して大変な目に遭ったことを自虐的に訴えるというネタでした。
実話が元になっているということで、恐らく事実なのだと思います。話にリアリティが出ているのはいいのですが、痛々しさが出てしまうという、自虐ネタとしてはまずい状況がちょこちょこ出てしまっていたように思います。あとはウケを狙うために言葉をひねる必要はもちろん出て来ましょうが、周囲の文脈に比べて浮いて見えてしまう箇所がございましたのでそこも改善点ではないかと思います。安定感こそ対戦相手に軍配は上がりますが笑いの最大値はこちらが上ではないかと思われます。
感想は次に続きます。
まずは1回戦の8組まで参ります。
ゆりやんレトリィバァ(吉本興業)
ピンのコント。ミヤネ屋の宮根誠司さんとしていつものようにミヤネ屋を切り盛りしていくも、妙なやりとりがちょこちょこ現れるというネタでした。
宮根さんの物真似と現場で起きている妙なことを笑って貰う意図があったと思うのですが、物真似に関しては自己紹介をしないと誰を真似ているのか分からないレベルで、かと言ってそのクオリティの低さを笑って貰う風でもない。起きてる出来事も些細なこと過ぎて下手すると見逃すレベルなものが多く、小道具もそれだけに頼るのはきつかったと思われます。構成も同じ形のものを並列において少々変化を付ける程度でして、特に目新しさも見当たらないようでした。
あぁ〜しらき(グレープカンパニー)
ピンのコント。リズムや音楽に乗りつつ、「上げる」「下げる」の言葉を受けてサンバイザーを上げ下げするという、いわゆる旗揚げゲームのようなものをクリアしていくネタでした。
現実にあるものを参考に新しいゲームを構築したところは全く問題がございませんが、本当に「上げる」「下げる」に終始してしまった印象はあります。有名な歌を挿入して変化を詰めるも、そこでも「上げる」「下げる」の言葉をそのままルールに組み込む程度で終わってしまいまして、短い持ち時間でももっといろいろ発展のさせようがあるんじゃなかろうか、という地点で終わってしまったような印象はあります。レベルが上がっていきなり意地悪なルールが追加されたりとか、ゲームのルール自体を取っ払ってしまうとか、その程度やるだけでだいぶ出来が違ってくると思われます。
吉住(プロダクション人力舎)
ピンのコント。与党議員と野党議員が恋愛関係になっておりまして、与野党の壁が原因で痴話げんかに陥るというネタでした。
普通の痴話げんかに国会議員というテーマをひとつ混ぜてくるのは目新しい組み合わせだったと思います。ただ、その織り交ぜてくる国会議員ネタがベタなあるある範囲内でありまして、組み合わせの妙の深みが出てくる前に終わってしまった印象は拭えないのではないでしょうか。痴話げんかのほうも普通の痴話げんかで終わっていまして、話が特別発展することもなかったのが惜しいと言えば惜しいところです。
ニッチェ(マセキ芸能社)
エステに行くもそこのスタッフがとにかく「分かります分かります」と安易に同意してまともな会話が成り立たないというネタでした。
特徴的な外見の人が目立つワードを多用して話を進め、後半で場面に変化が起きて終わるという、普通のコントを普通にやってのけたという印象です。「分かります」が後半で「分かりません」になる、という点が肝だと思いますが、使い方がそのまま過ぎて笑いに繋がりにくくなっているように思います。
根菜キャバレー(サンミュージックプロダクション)
ピン芸人のKittanさんと「ぴーかぶー」「ヒルトヨル」で活動してきた天野舞さんのコンビ。フリーの時期もある天野さんの事務所が現段階では不明ですが、Kittanさんと同じサンミュージックに仮定しました。
漫才。明るい子が大きな言動でギャグをしたりツッコミをしたりするのに対して暗い子が適当に処理したりするというネタでした。
暗い子のほうがまだキャラクターや役割が固まり切っていないようで、暗い子ならではの何かが特に出ていなかったのが気になりました。あとは、陰と陽のコントラストを見せるのはいいのですが、もう少しふたりの言動が噛み合わせる必要はあるかなと思いました。
合わせみそ(プロダクション人力舎)
「ブラットピーク」の河田祥子さんと「おとびばなし」の吉田治加さんの即席コンビ。
漫才。やりたいことと称してイケメンにあらぬことをしようと妄想するボケをツッコミが必死で思いとどまらせるネタでした。
省略できる説明的な台詞があちらこちらに見られたのが特に気になりました。あとは、謎かけの間にツッコミを入れたのが悪目立ちしてしまった印象がございます。ただ、ボケのキャラクターやツッコミの言葉遣いはある程度機能しておりまして、どちらも漫才が主戦場である分だけ同じコンビ歴の対戦相手よりも一枚上回った感はございます。
横澤夏子(吉本興業)
ピンのコント。息子の運動会を見に来たお母さんとして、運動会で起こり得そうなことをコミカルに演じていくネタでした。
いわゆる「あるあるネタ」を繋げて行ってひとつの話にしていく得意の形式でした。その手の「あるある」をやらせたら相当なレベルであることは間違いないでしょう。ただ、この場で重要なのはガッツリと笑いを取っていくことでして、「あるある」の数珠繋ぎに徹しているとそこのところがどうしてもおろそかになる危険が付きまとうと考えられます。似たような場面やセリフが再び出てくる時は省略するなど、見る側にストレスを感じさせない配慮は随所に見られますけれども、笑いに至っているかと言えば不十分なところが見られるかと存じます。ネタが全体的に明るくて普遍性もあり、見る人を選ばないという点は強いと思います。
紺野ぶるま(松竹芸能)
ピンのコント。役者となって地元に凱旋したかと思えば、勘違いして上京して大変な目に遭ったことを自虐的に訴えるというネタでした。
実話が元になっているということで、恐らく事実なのだと思います。話にリアリティが出ているのはいいのですが、痛々しさが出てしまうという、自虐ネタとしてはまずい状況がちょこちょこ出てしまっていたように思います。あとはウケを狙うために言葉をひねる必要はもちろん出て来ましょうが、周囲の文脈に比べて浮いて見えてしまう箇所がございましたのでそこも改善点ではないかと思います。安定感こそ対戦相手に軍配は上がりますが笑いの最大値はこちらが上ではないかと思われます。
感想は次に続きます。