2017年10月4日に行われたM-1グランプリ2回戦を見て参りましたので、感想を書く次第であります。例年通り、合格した組と不合格でしたが個人的に気になった組について書きました。この日の参加組数は143組、そのうち合格したのは21組でありました。
名前は敬称略です。事務所や結成年、過去2年の成績はM-1グランプリ公式サイトを参照にしております。正式名称が長いので、吉本所属の芸人は「吉本興業」表記にしております。
こちらでは通過した組のうち15〜21組目の感想をご紹介しております。
トマト(吉本興業) 2013年結成
2015年:2回戦 2016年:1回戦
透明人間になったらどうするか、というありがちな話を、明日は警備員のバイトがあるから透明だと困る、あさっては久々に親と会うから透明だと困る、その次の日は彼女と旅行だから透明だと困る、と言って、無理な理由を挙げていくネタでありました。
ありがちなネタにひとつ要素を組み込んでうまくやってのけた典型とも言えるべきネタであります。最後にはようやく透明人間になったらどうするかボケが考えるところまで至るんでありますが、それも「温泉に」まで言っていきながら「子供料金で入れる」という客の予想を裏切るようなオチで決めた、というのも何気に大きかったと思います。
がっつきたいか(SMA) 2008年結成
2015年:2回戦 2016年:2回戦
以前はトリオだったと記憶しております。昔、助けてもらった人に感謝の言葉を伝えるため相手の自宅まで訪れるが、それが助けてもらってから15年後だった。では、どうして15年もかかったのか。それを徐々に種明かしし、恩人を見つけ出す並外れた執念を笑って貰うネタでありました。
単純にネタの独自性がございました。執念がある割にはどこか間の抜けた抜けた追跡を続けるというのも結構なポイントですし、お礼の品を渡そうとして「15年経ってるのに新しいのを買わなかったのか」と言われた後、プレゼントとしてワインを出すという点も評価したいところです。時が経っても良さげなもので、みんなも何となくそれを知っているもの、ということで考え出したものだと思いますが、綺麗なオチだと思いました。
スリムクラブ(吉本興業) 2005年結成
2015年:準々決勝 2016年:決勝8位
やたらと間を取るスローテンポな漫才でグッと知名度を上げたコンビだと思っております。今回は同窓会であった人が自分の名前を間違えるので変だなあと思って詳しく聞いてみたら学校も学年も全部違う全く無関係の人だった、というネタであります。
変に間を取ろうとして失敗している組がこの日もたくさんありましたけれども、間を取っておきながらうまくネタとして仕上げている彼らは他とはどこがどう違うのでしょうか。ふたりの言動が自然である点もそうでしょうし、ネタの進行にも独自性がある。この2点をとりあえず挙げておきたいと思います。
パーティーズ(ワタナベエンターテインメント) 2015年結成
2015年:2回戦 2016年:2回戦
何が何でも居酒屋のキャッチを成功させられると豪語するツッコミに対し、ボケがとんでもないシチュエーションでキャッチをやらせようとする。しかし、ツッコミも割と強烈な対応力により何だかんだキャッチを成功させてしまうというネタでありました。便宜上、「ボケ」と「ツッコミ」と書きましたけれども、ふたりともボケの要素を含んでおり、このネタに限って言えばボケとツッコミの区別が難しいです。
他所の店の中だったり客がタイムトラベラーだったりと、ありえない場面で何となくキャッチをこなす面白さをよくも見つけてきたものだと思います。非常識の中で常識的に振る舞う面白さの一端でありましょう。
ピーマンズスタンダード(松竹芸能) 2005年結成
2015年:2回戦 2016年:準々決勝
反町隆史・松嶋菜々子夫妻の私生活に勝手なイメージをつけ、就寝時の室内の明るさで争ったり、朝の洗面所でのドタバタを演じるネタでありました。
基本的にはいくつものボケを同時進行で行い、とある地点でツッコミが片っ端からツッコんでいくというシステムでありまして、それ自体は今までだって多少は存在していたのでありますけれども、客の分かりやすいものから分かりにくいものまでひとつの場面にいろいろ仕込んでいるのが特徴的な点であり、うまくウケを狙えた点だと思われます。同じ形式のものを続ける危うさはありますが、彼らに関してはそこまで感じられませんでしたので、よほどうまくやっているのだと思います。
GAG少年楽団(吉本興業) 2006年結成
2015年:不参加 2016年:3回戦
キングオブコントでは初の決勝進出をしたトリオ。バーで女性を口説こうとするも、この女性がいわゆる魔性の女というものでありまして、いろんな男性の気を引いたり実はヤクザと付き合っていたりする。そんな女性が他の男性二人を振り回す話でありました。
ボケふたりのキャラクターがきちんとしているのもありますが、何よりツッコミでうまく笑わせるネタでありました。自然な言葉選びでうまく笑いを誘える手腕はさすがであります。
錦鯉(SMA) 2012年結成
2015年:準々決勝 2016年:敗者復活戦15位
バカなキャラクターのボケとクールなツッコミのコンビでして、在京拠点の芸人を中心に評価が高い印象です。今回はボケが熱血教師役で試合に負けた生徒を励ましますが、何しろバカなキャラクターですので訳の分からないことになるというネタであります。
ふたりの大局的なキャラクターもさることながら、ボケが無茶苦茶やっているのにその間にサラッと喋るツッコミがスッと入るところであります。しかも笑える。決勝もそろそろ射程圏内になっているかと存じます。
感想はまだまだ続きます。
名前は敬称略です。事務所や結成年、過去2年の成績はM-1グランプリ公式サイトを参照にしております。正式名称が長いので、吉本所属の芸人は「吉本興業」表記にしております。
こちらでは通過した組のうち15〜21組目の感想をご紹介しております。
トマト(吉本興業) 2013年結成
2015年:2回戦 2016年:1回戦
透明人間になったらどうするか、というありがちな話を、明日は警備員のバイトがあるから透明だと困る、あさっては久々に親と会うから透明だと困る、その次の日は彼女と旅行だから透明だと困る、と言って、無理な理由を挙げていくネタでありました。
ありがちなネタにひとつ要素を組み込んでうまくやってのけた典型とも言えるべきネタであります。最後にはようやく透明人間になったらどうするかボケが考えるところまで至るんでありますが、それも「温泉に」まで言っていきながら「子供料金で入れる」という客の予想を裏切るようなオチで決めた、というのも何気に大きかったと思います。
がっつきたいか(SMA) 2008年結成
2015年:2回戦 2016年:2回戦
以前はトリオだったと記憶しております。昔、助けてもらった人に感謝の言葉を伝えるため相手の自宅まで訪れるが、それが助けてもらってから15年後だった。では、どうして15年もかかったのか。それを徐々に種明かしし、恩人を見つけ出す並外れた執念を笑って貰うネタでありました。
単純にネタの独自性がございました。執念がある割にはどこか間の抜けた抜けた追跡を続けるというのも結構なポイントですし、お礼の品を渡そうとして「15年経ってるのに新しいのを買わなかったのか」と言われた後、プレゼントとしてワインを出すという点も評価したいところです。時が経っても良さげなもので、みんなも何となくそれを知っているもの、ということで考え出したものだと思いますが、綺麗なオチだと思いました。
スリムクラブ(吉本興業) 2005年結成
2015年:準々決勝 2016年:決勝8位
やたらと間を取るスローテンポな漫才でグッと知名度を上げたコンビだと思っております。今回は同窓会であった人が自分の名前を間違えるので変だなあと思って詳しく聞いてみたら学校も学年も全部違う全く無関係の人だった、というネタであります。
変に間を取ろうとして失敗している組がこの日もたくさんありましたけれども、間を取っておきながらうまくネタとして仕上げている彼らは他とはどこがどう違うのでしょうか。ふたりの言動が自然である点もそうでしょうし、ネタの進行にも独自性がある。この2点をとりあえず挙げておきたいと思います。
パーティーズ(ワタナベエンターテインメント) 2015年結成
2015年:2回戦 2016年:2回戦
何が何でも居酒屋のキャッチを成功させられると豪語するツッコミに対し、ボケがとんでもないシチュエーションでキャッチをやらせようとする。しかし、ツッコミも割と強烈な対応力により何だかんだキャッチを成功させてしまうというネタでありました。便宜上、「ボケ」と「ツッコミ」と書きましたけれども、ふたりともボケの要素を含んでおり、このネタに限って言えばボケとツッコミの区別が難しいです。
他所の店の中だったり客がタイムトラベラーだったりと、ありえない場面で何となくキャッチをこなす面白さをよくも見つけてきたものだと思います。非常識の中で常識的に振る舞う面白さの一端でありましょう。
ピーマンズスタンダード(松竹芸能) 2005年結成
2015年:2回戦 2016年:準々決勝
反町隆史・松嶋菜々子夫妻の私生活に勝手なイメージをつけ、就寝時の室内の明るさで争ったり、朝の洗面所でのドタバタを演じるネタでありました。
基本的にはいくつものボケを同時進行で行い、とある地点でツッコミが片っ端からツッコんでいくというシステムでありまして、それ自体は今までだって多少は存在していたのでありますけれども、客の分かりやすいものから分かりにくいものまでひとつの場面にいろいろ仕込んでいるのが特徴的な点であり、うまくウケを狙えた点だと思われます。同じ形式のものを続ける危うさはありますが、彼らに関してはそこまで感じられませんでしたので、よほどうまくやっているのだと思います。
GAG少年楽団(吉本興業) 2006年結成
2015年:不参加 2016年:3回戦
キングオブコントでは初の決勝進出をしたトリオ。バーで女性を口説こうとするも、この女性がいわゆる魔性の女というものでありまして、いろんな男性の気を引いたり実はヤクザと付き合っていたりする。そんな女性が他の男性二人を振り回す話でありました。
ボケふたりのキャラクターがきちんとしているのもありますが、何よりツッコミでうまく笑わせるネタでありました。自然な言葉選びでうまく笑いを誘える手腕はさすがであります。
錦鯉(SMA) 2012年結成
2015年:準々決勝 2016年:敗者復活戦15位
バカなキャラクターのボケとクールなツッコミのコンビでして、在京拠点の芸人を中心に評価が高い印象です。今回はボケが熱血教師役で試合に負けた生徒を励ましますが、何しろバカなキャラクターですので訳の分からないことになるというネタであります。
ふたりの大局的なキャラクターもさることながら、ボケが無茶苦茶やっているのにその間にサラッと喋るツッコミがスッと入るところであります。しかも笑える。決勝もそろそろ射程圏内になっているかと存じます。
感想はまだまだ続きます。