2019年12月22日に放送されたM-1グランプリ敗者復活戦を見たので、簡単に感想を書いて参ります。敬称略で、披露順に書いております。
こちらでは前半の8組について書いております。では参ります。
カミナリ(グレープカンパニー)
テーマに準じて交互にあるあるを言う「あるあるゲーム」をするネタでした。
普通のあるあるを起点にして、あるあるとかけ離れたものを入れつつ、違うあるあるを混ぜつつ、得意の強い一撃を決めつつ、散りばめた伏線を次々に回収していくという、複雑なネタでした。一発にかけるネタよりも腕は卓越していますが、特長が削られているとも言えます。
囲碁将棋(吉本興業)
カレーが食べたくなっている現象「カレーの口」のようなものを集めるネタでした。
起点が「ウォシュレットの尻」という割と強めなものを持ってきたためか、後の印象がかすんでしまっている気がします。何より、見る人を選ぶネタになってしまっているのはこの舞台では危ないのではないかと。
天竺鼠(吉本興業)
とにかく無茶苦茶な言動をするボケが特徴の漫才をしております。
ただ単に訳の分からないことをするくらいならば誰でもできるわけですが、人を確実に笑わせるものとなると当然のことながら相当な能力が必要になってきます。彼らはその能力を持っていると考えられます。無茶苦茶具合がきちんと調整されている印象です。
和牛(吉本興業)
不動産屋に連れられて様々な物件を見るも様々な問題が起きるというネタでした。
漫才のうまさは桁外れでしょう。短い時間で強引にコントへ入るくだりもその強引さを利用してひと笑い取り、細かい伏線を散りばめながらも観客へ確実に認識させてうまく回収する、紹介された物件に人が住んでいたことを利用して事故物件の幽霊を肯定的に捉えるところなど、非常に複雑な構造の話をいとも簡単にやってのけているわけです。ありがちな要素を思わぬ方法で活用するのは当たり前にやってのけますし、演技も素晴らしい。優勝候補の筆頭であることに変わりはないでしょう。
ラランド(アマチュア)
ビックな芸能人になって街を歩き、やってくる子供をうまくさばくというネタでした。
話の流れとしては登場してやりたいことを言ってコントに入ってオチで終わるという、現代の漫才では非常にオーソドックスな形なのですが、ボケの発想がとにかく予想外で、ツッコミのタイミングと言葉の適切さもあって外さないわけです。何気にやりとりが多彩で飽きさせません。
マヂカルラブリー(吉本興業)
子供が痛がらないように注射を打ちたいというネタでした。
気を逸らせてから注射を打つふりをして、むしろ注射を注視させる、という同じオチを何回も繰り返すという、敢えて着地点を見せるタイプのネタでした。当然のことながら、こういうネタの短所としては油断すると単なる繰り返しになって客が飽きてしまうというものがあるわけで、それを突破できるだけの何かがあったかと言えば正直微妙なところでした。
ミキ(吉本興業)
アナ雪の歌をうたおうとするも、ツッコミが曲を全く把握しておらず、なかなか歌に入らないというネタでした。
コントに入ろうとしないタイプの変形版とでも言いましょうか。もともとの能力が高いせいもあってか、教えるくだりのわちゃわちゃが笑いに繋がっていない点が気になってしまいました。その部分も笑いに変えられる技量はあると思うのですが。
くらげ(吉本興業)
「分かんねえけど」と言って物凄くちゃんとしたアドバイスを言うネタでした。
アドバイスの良さだけでどうにかしようとするのは、この舞台では厳しいところだと思います。相談して、的確なアドバイスを返す、の繰り返しから後半にちょっと変化させるだけでは弱いのではないかと。
前半はここまでです。後半は次のエントリに書いております。では。
こちらでは前半の8組について書いております。では参ります。
カミナリ(グレープカンパニー)
テーマに準じて交互にあるあるを言う「あるあるゲーム」をするネタでした。
普通のあるあるを起点にして、あるあるとかけ離れたものを入れつつ、違うあるあるを混ぜつつ、得意の強い一撃を決めつつ、散りばめた伏線を次々に回収していくという、複雑なネタでした。一発にかけるネタよりも腕は卓越していますが、特長が削られているとも言えます。
囲碁将棋(吉本興業)
カレーが食べたくなっている現象「カレーの口」のようなものを集めるネタでした。
起点が「ウォシュレットの尻」という割と強めなものを持ってきたためか、後の印象がかすんでしまっている気がします。何より、見る人を選ぶネタになってしまっているのはこの舞台では危ないのではないかと。
天竺鼠(吉本興業)
とにかく無茶苦茶な言動をするボケが特徴の漫才をしております。
ただ単に訳の分からないことをするくらいならば誰でもできるわけですが、人を確実に笑わせるものとなると当然のことながら相当な能力が必要になってきます。彼らはその能力を持っていると考えられます。無茶苦茶具合がきちんと調整されている印象です。
和牛(吉本興業)
不動産屋に連れられて様々な物件を見るも様々な問題が起きるというネタでした。
漫才のうまさは桁外れでしょう。短い時間で強引にコントへ入るくだりもその強引さを利用してひと笑い取り、細かい伏線を散りばめながらも観客へ確実に認識させてうまく回収する、紹介された物件に人が住んでいたことを利用して事故物件の幽霊を肯定的に捉えるところなど、非常に複雑な構造の話をいとも簡単にやってのけているわけです。ありがちな要素を思わぬ方法で活用するのは当たり前にやってのけますし、演技も素晴らしい。優勝候補の筆頭であることに変わりはないでしょう。
ラランド(アマチュア)
ビックな芸能人になって街を歩き、やってくる子供をうまくさばくというネタでした。
話の流れとしては登場してやりたいことを言ってコントに入ってオチで終わるという、現代の漫才では非常にオーソドックスな形なのですが、ボケの発想がとにかく予想外で、ツッコミのタイミングと言葉の適切さもあって外さないわけです。何気にやりとりが多彩で飽きさせません。
マヂカルラブリー(吉本興業)
子供が痛がらないように注射を打ちたいというネタでした。
気を逸らせてから注射を打つふりをして、むしろ注射を注視させる、という同じオチを何回も繰り返すという、敢えて着地点を見せるタイプのネタでした。当然のことながら、こういうネタの短所としては油断すると単なる繰り返しになって客が飽きてしまうというものがあるわけで、それを突破できるだけの何かがあったかと言えば正直微妙なところでした。
ミキ(吉本興業)
アナ雪の歌をうたおうとするも、ツッコミが曲を全く把握しておらず、なかなか歌に入らないというネタでした。
コントに入ろうとしないタイプの変形版とでも言いましょうか。もともとの能力が高いせいもあってか、教えるくだりのわちゃわちゃが笑いに繋がっていない点が気になってしまいました。その部分も笑いに変えられる技量はあると思うのですが。
くらげ(吉本興業)
「分かんねえけど」と言って物凄くちゃんとしたアドバイスを言うネタでした。
アドバイスの良さだけでどうにかしようとするのは、この舞台では厳しいところだと思います。相談して、的確なアドバイスを返す、の繰り返しから後半にちょっと変化させるだけでは弱いのではないかと。
前半はここまでです。後半は次のエントリに書いております。では。